ミカンの国際シンポジウム 10日自然博で
日本一のミカンの産地、和歌山とゆかりが深い世界的な柑橘分類学者、田中長三郎(1885~1976)の功績などに理解を深める国際シンポジウム「世界的柑橘分類学者 田中長三郎の足跡と系譜」が10日午後1時から4時半まで、海南市船尾の県立自然博物館で開かれる。
京都大学大学院農学研究科付属農場が主催、橘本神社などが協力。長三郎は多くの柑橘類の学名を命名した他、ウンシュウミカン発祥の地が鹿児島県長島であることや、ウンシュウミカンの代表的品種「宮川早生」を発表するなどの功績を残している。また、ミカンの神様「田道間守命(たぢまもりのみこと)」を祭る橘本神社(同市下津町橘本)の宮司を務める前山家や、博物学者の南方熊楠(1867~1941)と交流していたことが明らかになってきている。
シンポジウムでは「ミカンにかけた情熱~海南・橘本神社と田中長三郎~」と銘打ち、長三郎と前山家の“ミカンにかけた情熱”を中心に業績を紹介する。
同神社の前山和範宮司の開会あいさつ、「わかやまワッパプロジェクト」によるオープニング演奏の後、3人の研究者による講演、前山宮司と講演者を交えた総合討論などが予定されている。
中学生以上が対象で定員先着60人。申し込みは、メールに住所、名前、年齢、電話番号、参加希望人数、件名に「10/10国際シンポジウム申込み」と明記し、シンポジウム事務局(メールmikan.kainan@gmail.com)へ。問い合わせも同事務局(℡050・3552・1036)。
講演者と演題は次の通り。
北島宣(京都大学大学院農学研究科)「日本におけるカンキツの歴史と地域の在来カンキツ」▽岳修平・林維真・鍾國芳(国立台湾大学・台湾国立中央研究院)「田中長三郎と台湾大学の関わり」▽伊藤謙(大阪大学総合学術博物館)「柑橘にかけた情熱と和歌山―田中長三郎からみる柑橘研究―」