政務活動費HPで公開を オンブズが陳情

 富山市議会などで不正使途が問題になっている政務活動費について、市民オンブズマンわかやま(阪本康文、松井和夫両代表)は10日、支出を裏付ける領収書などを議会ホームページで公開するよう求める陳情書を、県議会と和歌山市議会に提出した。

 全国の市民オンブズマンが全国一斉に実施する陳情行動の一環。提出は、同オンブズの畑中正好事務局長が代表して行い、県議会では議会事務局職員が預かった。内容を確認した後、各議員に配布される。和歌山市議会でも同様に陳情書が提出された。

 同オンブズは「写しが交付される制度だけでは、写しの交付資料が膨大であり、入手するには多額の費用(県約6万、市約3万6000円)を要する」と指摘し、「議会ホームページで公開すれば、時間を問わず容易に誰かに見られるという緊張感から不正の抑止力になる」としている。

 県議会事務局によると、昨年度に行われた政務活動費に関する収支報告書や領収書のコピーの請求は13件、7381枚(費用7万3810円)だった。

 畑中事務局長は「研究などにきちんと使われるならば、政務活動費は必要だが、透明性を高めることは必要」と話している。

 同オンブズによると、収支報告書や領収書などをホームページで公開している都道府県や政令市、中核市は、平成27年9月時点で大阪府、高知県、函館市。27年度分から公開を予定しているのは、兵庫県、大阪市、京都市、神戸市、大津市、西宮市。今後公開すると決定しているのは、宮城県、富山県、奈良県、徳島県、横須賀市。

陳情書を事務局に提出する畑中事務局長㊧(県議会)

陳情書を事務局に提出する畑中事務局長㊧(県議会)