医療の物流支える メディセオ県内に拠点

医療用医薬品の卸売業、㈱メディセオ(本社=東京都中央区、長福恭弘社長)は、地方で商品の仕分け、配送を行う拠点となるフロント・ロジスティクス・センター(FLC)を和歌山市松島に設置し、12日に竣工記念式典を行った。同社がFLCを設置するのは関西では和歌山が初めて。

同社は医薬品や化粧品を中心とする物流グループ、㈱メディパルホールディングスの完全子会社。災害時も安定した商品供給ができるように、メーカーから商品を仕入れ、その場で仕分けて直接配送するエリア・ロジスティクス・センター(ALC)と、ALCから離れた土地に商品を配送するFLCの設置を進めている。今回、従来の同社物流センターの機能を補い、高いシェアを誇る県内の医薬品供給拠点としてFLCを設置した。

式典には約80人が出席し、長福社長は「メディセオには日本の医療を支える物流インフラとしての義務がある。和歌山の医療も物流面で支えて良くしていきたい」とあいさつ。テープカットで竣工を祝った。

出席者はその後、施設内を見学。延べ床面積約4000平方㍍の建物は耐震構造で、商品を保管する棚も免震装置により激しい揺れでも商品が落下しないようにし、災害時も素早く供給できる工夫が施されている。

保管庫には約1万点の商品を置くことができる。配送ミス防止のための、商品の重さによる重量検品とバーコードを読み取る二重検品や、商品を詰めた箱ごと検品することで配送先での作業を効率化する個口スキャン検品など、膨大な商品を確実に早く届けるための設備が整えられている。

和歌山FLCは10月から稼動し、県内の医療機関に医薬品を運んでいる。

テープカットで竣工を祝った

テープカットで竣工を祝った