石綿飛散防止など 県地域防災計画を修正

防災に関する県の基本計画について協議する「平成28年度県防災会議」が11日、県庁南別館で開かれ、自治体の防災関係者や交通事業者など同会議の委員約50人が出席し、南海トラフ巨大地震などの大規模災害への備えについて確認した。

災害対策基本法に基づき、防災対策の検証を目的に毎年度1回開かれている。

今回から新たに委員となった3人の紹介が行われた後、県の中井寛防災企画課長が県の防災・減災対策を紹介。災害発生時に県職員を派遣する災害時緊急機動支援隊制度の派遣先が県内内陸部にも広がったことや、地域住民で構成する自主防災組織の組織率を、平成31年度末に100%とする目標設定などについて説明した。

県防災計画の修正については、建物の倒壊などに伴う石綿(アスベスト)の飛散によって健康被害が生じるのを防ぐため、防じんマスクの備蓄を強化する他、感震ブレーカーの設置促進による電気火災防止や、地震保険の加入促進などが新たに提案され、全会一致で承認された。

議事終了後、熊本地震の被災地で支援活動に取り組んだ、日本赤十字社県支部の山本明史事務局長が、避難所の衛生環境の改善を通じて感染症の防止に成功した経験を報告した他、被災地への支援物資輸送に従事した日本通運㈱和歌山支店の大橋祐司支店長が、被災した自治体の集積所から各地の避難所に物資を運ぶ体制の不備が大きく影響し、支援物資の供給が遅れた事実を紹介した。

修正を経た地域防災計画は総理大臣に報告された後、県のホームページで一般に公開される。

対策を協議する委員たち

対策を協議する委員たち