災害時の迅速対応へ 県産廃協に衛星電話
県産業廃棄物協会(武田全弘会長)は災害時に発生する廃棄物の迅速な処理に対応するため、衛星携帯電話の導入を決定し、5日、和歌山市十三番丁の同協会事務所で通信試験を行った。
衛星携帯電話は、大規模災害で通常の携帯電話や防災行政無線が不通となった場合でも使うことができる。同協会は平成18年に、県職員と同協会会員が被災地で災害廃棄物の共同処理にあたる「大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定」を県と締結しており、被害状況の早期把握に向け、同協会内の連絡体制を強化しようと、導入に踏み切った。同協会によると、全国の産廃協会で衛星携帯電話を活用しているケースはまだないという。
通信試験では、同協会の県内5支部と本部の間で通話ができるかを確認。電波の状況で思うようにつながらない場面も見られたが、最終的に全ての支部とやりとりすることに成功した。
同協会では、衛星携帯電話7台の導入を決定しており、今後も毎月1回の頻度で通信試験を実施していくという。
同協会の井本滋之事務局長は「災害時に電話がつながらないことは多い。県内は南海トラフ巨大地震が懸念されており、発生時にすぐ対応できるよう、通信試験を定期的に実施していきたい」と話していた。