球児の青春にエール 宇和・松本さん新CD
第89回選抜高校野球大会の出場校決定まであと一週間。ことしも球児たちの熱戦が近づく中、和歌山市のフリーアナウンサー宇和千夏さん(54)と、田辺市出身のアコースティックデュオ「アロエルート」の松本そうすけさん(33)がCD『背番号のないユニフォーム』をリリース。朗読を交え、一人の野球少年のほろ苦い青春物語を詰め込んだ1枚で、2人は「夢をかなえられる人はごく一握り。挫折してもいい、『悔しさを力に変えて進んでいこう』と思いを込めました。皆さんそれぞれが自分に重ねて聴いてもらえるはず」とPRしている。
CDの最初とエンディングに宇和さんの朗読を収録。高校最後の夏の地区予選で、レギュラーに選ばれなかった少年のプロローグで始まり、物語が展開していく。
宇和さんはかつて地元アイドルユニット「昭和時代」で音楽活動を始め、50歳にして『50の種』でソロCDデビュー。松本さんは「アロエルート」のギターやコーラス、作詞や作曲を担当し、宇和さんともステージで共演してきた。
宇和さんは高校時代に野球部のマネジャーを務めるなど、大の野球好き。ある時テレビで見た、背番号をもらえずに夏を終える高校球児のドキュメントが心に残り、何らかの形で表現したいと思い続けてきたという。
CDは共作で3曲入り。CDタイトル曲「背番号のないユニフォーム」は2人で作詞し、松本さんがバラードに仕上げた。夢を追い掛けた仲間との日々を胸に、ラストゲームへの思いを松本さんが歌っている。
「この歳になると応援したい思いが強くなる。夢をかなえられなくても、それを乗り越えて新しい夢を描いたり、いろんなことに挑戦したりして前に進もうというメッセージを送りたい」と宇和さん。
「きっと大丈夫」は夢を応援する高校野球のマネジャーの目線で、宇和さんが作詞。松本さんが曲をつけ、宇和さんが弾むように爽やかに歌い上げている。
また、松本さんが詞と曲、歌を担当したポップな「青空ノート」も収録。おやじ世代になった元高校球児が当時を思い返し、挫折や妥協に折り合いをつけながら今を生きる姿を歌い、詞には宇和さんの思いが色濃く反映されているという。
完成したCDに、松本さんは「夢に届かなかった側の、そこから這い上がる姿や支えてくれる人との絆、諦めの悪さなど、さまざまな物語を込めました。まだまだ成功者ではない自分を奮い立たせる意味合いもありますね」と話している。
CDは1500円(税込み)。島村楽器イオンモール和歌山店などで取り扱っている。また22日午後2時から、和歌山市北新のダイニングUO(ウーオ)で発売記念ライブを行う。チケットは3000円(ワンプレート、飲み物付き)。問い合わせは同店(℡073・499・4519)。