市長選控え骨格予算 海南市29年度当初案
海南市は16日、平成29年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比5・0%減の237億9545万円。市役所新庁舎整備事業や(仮称)西部こども園建設事業などに手厚く配分する一方、4月に市長選を控えていることから、人件費や公債費などの義務的経費や継続事業を中心とする骨格予算とした。神出政巳市長は「持続可能で安定した財政運営を念頭に置きながら、将来の発展に資する事業に重点的に配分した」と述べた。
【歳入】
市税など自主財源の比率は35・4%。市税は市たばこ税が減少する一方で、法人市民税などが増加し、前年度比0・8%増の68億2777万円。地方交付税は0・5%減の58億9000万円を見込んでいる。市債は大型公共事業の減少などにより、25・5%減の37億9960万円となっている。
【歳出】
義務的経費では、人件費が職員数減により1・5%減の46億3278万円。扶助費は臨時福祉給付金事業が28年度で終了することに伴い2・2%減の42億7644万円となった。
投資的経費では、新庁舎整備事業や小野田28号線改良事業の事業費減などにより、普通建設事業費が20・5%減の41億5327万円となっている。
【主な事業】
老朽化が進み、津波発生に伴う浸水被害も懸念される市役所を高台に移転する「新庁舎整備事業」に11億1083万円を計上。新庁舎は備蓄倉庫や自家発電設備の設置などを通じて防災拠点としての機能を強化する他、1階に窓口関係課を集約し、市民の利便性を高める。29年度は11月6日の開庁に向け、本体工事などを進める。移転後の庁舎跡地活用については、28年度内に基本計画を策定し、29年度の補正予算で基本設計・実施設計業務の必要経費を計上するとしている。
多様化する保育ニーズに対応するため、黒江・日方幼稚園、室山・日方保育所の4施設を統合した認定こども園を日方の旧市民病院跡地に新設する「(仮称)西部こども園建設事業」には7億7159万円を計上。併設する病後児保育室・地域子育て支援センターを合わせた施設全体の延べ床面積は約3500平方㍍、同園の定員は270人。29年度は引き続き建設工事を進める他、園名の公募などを行い、30年4月の開園を目指す。
教育分野では、保護者の負担軽減に向けた中学校での給食導入に1億6822万円を計上。既存の小学校給食施設を改修し、小中学校の給食を合わせて調理する「親子方式」を導入し、29年10月からの開始を目指す。
児童・生徒の増加に伴い仮設校舎を使用している亀川小・中学校については、30年4月から新校舎での授業開始を目指し、建設工事費などに計3億2697万円を計上している。
防災対策には6379万円を計上。住宅の耐震化に必要な費用の補助については、対象となる木造住宅の範囲を従来の昭和56年5月以前の建築物から平成12年5月以前の建築物まで拡大する。
【特別会計等】
特別会計は6会計で計165億6188万円(前年度比4・8%減)。被保険者数の減などに伴う国民健康保険特別会計の減少や、簡易水道事業特別会計を廃止し、水道事業会計に統合したことなどで総額が減少した。
水道事業と病院事業の2企業会計は合わせて62億7043万円(同6・9%増)となっている。
一般会計と合わせた29年度当初の予算案総額は466億2777万円(同3・5%減)。23日開会の市議会2月定例会に提出される。