防災や観光振興に重点 岩出市29年度予算案
岩出市は23日、平成29年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2億9950万円(1・9%)減の152億1500万円で、5年ぶりの減少。特別会計と水道事業会計を含めた全体の予算額は、前年度比6885万円(0・2%)増の307億417万円となった。中芝正幸市長は「国の動向を注視しながらの困難な編成作業となったが、『健全財政の堅持』を財政運営の軸に、各事業に予算を配分した」と話した。3月2日開会の市議会定例会に提出される。
■歳入
市税などの自主財源は全体の44・7%。市税は、徴収実績や地方財政計画に基づく算出により、前年度比2億800万円(3・8%)増の57億4400万円。繰入金は、財政調整基金や減債基金、特定目的基金繰入金の減少により同2億8100万円(72・6%)減の1億600万円。
依存財源は、地方交付税が同5000万円(1・5%)減の32億5000万円。国庫支出金は、臨時福祉給付金関係費の皆減や社会資本整備総合交付金の減少などにより、同1億4600万円(5・9%)減の23億2000万円となっている。29年度末の市債残高見込み額は70億486万円。
■歳出
性質別では、人件費が職員の若返りなどにより、前年度比4800万円(2・0%)減の22億9400万円。扶助費が障害者総合支援給付費や生活保護費の増で同1億2600万円(3・1%)増の41億9800万円。山崎地区浸水対策事業などの大型事業への計上が終わったため、投資的経費は、同3億100万円(20・5%)減の11億6400万円となっている。
目的別では、総務費が庁舎建築事業の計上を終えたことで、同3億8400万円(27・5%)減の10億1200万円。消防費が7億2200万円、衛生費が26億4900万円と、新規事業の関係で増加した。
■主な事業
重点事業として、「防災・災害対策」「浸水対策」「下水道整備」「観光振興」「学力向上」の各事業を掲げ、引き続き重点的に予算を配分。ことしを市創生幕開けの年と位置付け、総合戦略に基づく各事業についても積極的に予算を配分した。
新規事業として、岩出クリーンセンター(根来)敷地内に家具リサイクル導入に向けた施設整備を行う「家具リサイクル工房等整備事業」に2492万円。これまでは自転車のリサイクルのみだったが、家具に着手することで、ゴミの減量化を図る。
老朽化に伴い、災害対策機能を備えた新たな市民プールの建設に向けた測量費用に864万円を計上。総合体育館(荊本)南側に建設予定で、31年度の完成を目指している。
また、高齢者の健康増進と交流のためのスポーツ施設整備に421万円、船山地区避難所建設事業に1500万円、特定不妊治療費補助事業に300万円、根来・上岩出・山崎北の公立・私立保育所の改修事業に3328万円を計上。
さらに、道の駅として登録予定の「ねごろ歴史の丘」の機能充実を図るため、新施設の整備に着手する。地方創生拠点整備交付金活用により、平成28年度補正予算に前倒して計上している。