近大マグロ流通で農水大臣賞 ベンチャー
「近大マグロ」をはじめ近畿大学水産研究所が研究・養殖した魚を加工・販売している同大発のベンチャー企業「㈱アーマリン近大」(白浜町、逵〈つじ〉浩康社長)が、経済産業省など主催の第3回日本ベンチャー大賞で「農業ベンチャー賞(農林水産大臣賞)」を受賞した。表彰式は20日、首相官邸で行われた。
同社は平成15年に設立され、同研究所が養殖に成功したクロマグロをはじめ、マダイ、シマアジ、ブリ、トラフグなど20種以上の養殖魚の流通・加工・販売を手掛けている。
25年には大阪・梅田と東京・銀座に養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」をオープン。予約が殺到する人気店となり、従来の養殖魚に対するマイナスイメージの払拭と価値の普及、最先端の水産養殖技術に関する情報発信に大きく寄与してきた。
今回の受賞はそうした取り組みが高く評価されたもの。逵社長は「大学の研究成果を社会に提供する取り組みを高く評価いただき、光栄。これに甘んじることなく、日本の漁業振興と、養殖魚の価値の向上と転換、天然資源の保護という目標達成のため、新たな事業を創出していく」と話している。