県初の国民文化祭へ キックオフイベント

 平成33年に県内で初めて開かれる国民文化祭に向けて機運を高めようと、県主催の「国民文化祭キックオフイベント」が18日、和歌山市の県民文化会館大ホールで開かれ、文化芸術を愛好する約800人の県民らが参加する中、講演や文化団体のステージ発表などが行われた。

 国民文化祭は音楽や美術など多様な文化芸術の愛好家が全国から集まり、演奏や作品などを披露するイベント。昭和61年度から毎年各都道府県で開かれており、県内では初めての開催となる。

 キックオフイベントでは、文化庁文化部の内丸幸喜部長が「国民文化祭について」と題して基調講演。一昨年の鹿児島県での開催にふれ、期間中に県内全市町村で55のイベントが行われ、100万人以上が参加したことを紹介した。

 同県では、国民文化祭をきっかけに後継者不足で活動を停止していた郷土芸能への関心が高まり、復活に成功する事例が生まれるなど、住んでいる地域の多様な文化に対する理解が深まった他、特産品や旅行商品の開発などによる観光への効果も見られたという。内丸部長は開催に向け「一過性のイベントに終わらせないことが重要。地域にレガシー(遺産)をつくってほしい」と呼び掛けた。

 講演に続いて、県内の文化団体によるステージ発表が行われ、ダンススクール「HOMIES」によるダンスショーや県民謡連合会、和歌山児童合唱団による歌の披露が行われ、最後に「国民文化祭キックオフ宣言」を採択し閉会した。

ダンスを披露するHOMIESのメンバー

ダンスを披露するHOMIESのメンバー