惜しまれつつ閉館 スポーツクラブアポロ
スイミングとフィットネスクラブのスポーツクラブアポロ(岩出市高瀬、湯川和昭支配人)が今月で閉館する。施設前の道路拡幅工事に伴い、立ち退く形となった。地域に愛され続けたスポーツクラブは、惜しまれながらも、30年の歴史に幕を下ろす。
「和歌山で一番、会員から愛される施設」を理念に掲げ、施設は、昭和61年2月に当時の岩出町で初めてのスイミングスクールとして開館した。子どものスイミングをはじめ、中高年層のフィットネスが好評を博し、顧客満足度は上昇。地域に愛されるスポーツクラブへと成長を遂げた。
昨年、正式に閉館が決定したが、現在も子ども約600人、大人約400人の利用者がいる。「運動を続けてほしい」という願いから、湯川支配人は近隣のスポーツクラブに受け入れを依頼。だが、1000人もの利用者の受け入れは難しく、すべてに対応することはできなかった。
32人のスタッフも同様だ。有田市の姉妹施設へ転勤する人もいれば、退職の道を選んだ人もいる。湯川支配人(46)は「ショックと、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱい」と話す。
利用者からは「もう一度新しい施設をつくってほしい」「アポロがなくなるなら水泳をやめる」という声が続出した。存続に向けて署名活動を行い、約2万8000通の署名を集めたが、願いは届かなかった。
26日には、「アポロフィナーレイベント」を開催し、水中運動会やゲーム大会で思い出をつくる。現施設の閉館は免れないが、湯川支配人は、場所を変えて営業を再開することを検討。「新しい施設をつくり、もう一度、利用者やスタッフが集まることができれば」と展望を語った。