和大の魅力もっと PRポスター、動画刷新
和歌山大学(和歌山市栄谷、瀧寛和学長)は広報用ポスターやPR動画を4月から大幅にリニューアルした。昭和62年に現在の栄谷キャンパスへ全学部が移転してから30周年を迎えるのに合わせ、学生有志がアートディレクターらと協力して仕上げた。背景にあったのは「地域の人や遠方の受験生にもっと大学を知ってほしい」という熱い思い。完成に至るまでの取り組みなどを聞いた。
広報用ポスターのリニューアルは、平成24年以来。同大は移転後、同7年にシステム工学部、20年に観光学部を設置するなど、時代を見据えて積極的に取り組みを進めているが、同大広報室によると、「移転後に設置された学部を知らない人も多く、卒業生も大学としての一体感を持ちにくい」状況があるという。
大学の取り組みに対する認知度の向上に向け、同大は学生広報チーム「PRism」が中心となり、昨秋からポスターとPR動画の制作を開始。ポスターには、大学の歴史を実感できるように各学部の設置された年を盛り込んだ。
撮影の舞台は26年12月に完成した図書館新棟を選び、一般学生4人が各学部の設置された時期に流行したファッションで登場。経済学部は戦前のバンカラスタイルを意識して学生服、観光学部はブーツなどさまざまで、当時の学生が現在のキャンパスにタイムスリップしたと想定している。
ポスターと同時にリニューアルしたPR動画は、これまで約20分だったものを2分40秒に短縮し、気軽に視聴できるようにした。プロの和太鼓団体や同大のよさこいサークル「和歌乱」が登場して全編を盛り上げる中、最先端の研究やサークルなどの学生生活に打ち込んでいる多くの学生たちの姿を紹介している。
PR動画は、動画投稿サイト「ユーチューブ」の同大公式チャンネル(https://www.youtube.com/user/wakayamauniv)で見ることができる。また、ポスターのメーキング動画も公開している。
ポスターは県内外の高校や進学塾、学生が利用する地域の店舗などに配布する。掲示を希望する商業施設などを募集している。
5月から本格的に始まる受験生を対象とした説明会などで、新しいポスターや動画を積極的に活用し、大学を周知していく。
企画に携わったPRism副代表でシステム工学部3回生の池内天子さん(22)は「ポスターの制作を通じて大学の歴史を実感し、改めて和大の魅力を再認識することができました」と話し、同大広報室は「和大は世の中の雑音から解放され、自分を見つめ直せる場所。ぜひ多くの方に見ていただき、魅力を知ってほしい」と呼び掛けている。