芸術の架け橋に 清水達三さん画塾合同展
日本藝術院会員で、日本美術院理事・同人の和歌山市の日本画家・清水達三さん(81)に指導を受ける4教室の合同作品展「画塾の架け橋展」が14日まで、同市の県民文化会館の全展示室を使って開かれている。
ふるさとの和歌山で、40年近く日本画教室を開いてきた清水さんの画塾生が合同で初めて開く作品展。県内外の約60人が人物や風景、静物など、小品から大作まで約110点を出品。日本美術院による公募展・院展の入賞・入選作も多数展示されている。
夕日を背に下津港を進む船を描いた清水さんの500号の大作「曳船(ひきぶね)」をはじめ、原野で実をつけるブドウを描いた、長男の由朗(よしろう)さんの「原生」も並ぶ。
地元の駅を描いた「無人駅」を出品し、約30年指導を受ける南口みどりさん(67)は「4教室そろって和歌山の皆さんに見ていただける機会に、わくわくしています。先生はとにかく愛情を持って指導され、弟子でよかった、と改めて実感します」と笑顔。清水さんは「芸大がない和歌山からでも、中央でも通用する力をという思いで続けてきました。もっと多くの方に、日本画をやってほしい。若い世代が続く架け橋になるような展覧会になればいいですね」と話す。
また清水さんはこのほど、平成33年に県内で開かれる国民文化祭に向け、わかやま文化芸術協議会の会長に就任。今展には機運醸成への思いも強く「『人の作品を見て、己を知る』、次につながるような勉強の場になればと思います」と話している。
午前9時から午後5時まで。問い合わせは同館(℡073・436・1331)。