紀州徳川時代絵巻 「和歌祭」14日に開催

 紀州東照宮(和歌山市和歌浦西、西川秀紀宮司)の大祭「和歌祭」の開催が14日に迫り、渡御(とぎょ)行列などの出演者の練習や準備も大詰めを迎えている。

 和歌祭は元和8年(1622)に創始され、紀州藩を挙げての大祭として全国的に知られてきた。

 神輿(みこし)を担いで同宮の石段108段を勢いよく下りる「神輿下ろし神事」に始まり、華やかな衣装に仮面を着けた「百面」や行商人のいでたちをした「連尺」など、戦国・江戸の時代を再現したさまざまな演目による渡御行列が和歌浦地区一帯を練り歩く。

 ことしは、かつて行われていた演目の一つ、外国人を模した南蛮風衣装を身に着けた「唐人」が約350年ぶりに復活し、行列をさらに盛り上げる。

 11日には同宮の駐車場で行列の演目「餅花踊り」と「団扇太鼓」を演じる子どもたちが練習。団扇太鼓を持った女子と、笹を持った男子が並び、お囃子(はやし)の音に合わせて太鼓を鳴らし、笹を振りながらゆったりと練り歩く動きを確認した。

 中村友紀さん(11)は「コツを覚えてちゃんと踊れたら」、山下愛佳さん(11)は「踊るのはことしで最後なので、今までより上手に踊りたい」、弟の竜輝君(8)は「失敗しないように頑張る」、中島悠太君(9)は「前より踊る量は減ったけど、気を引き締めていきたい」と本番に向けてそれぞれ意気込みを話した。

 子どもたちを指導する松井瑛雄さん(88)は「みんなあしたにでもできそうなくらい完璧に覚えている。参加人数も少し増えてうれしい」と期待を寄せた。

 当日は午前11時半から神輿下ろし、正午から渡御行列が始まる。行列のコースでは午後4時まで交通規制が行われる。

 問い合わせは同宮(℡073・444・0808)。

餅花踊りと団扇太鼓を練習する子どもたち

餅花踊りと団扇太鼓を練習する子どもたち