那賀高校で根来塗の授業 曙山会が指導
根来塗曙山会は9日、岩出市高塚の県立那賀高校で、漆を使った根来寺根来塗の授業を始めた。7月の完成を目指し、全5回の工程で授業を展開する。
同会は、小学校などで出前授業を実施しているが、漆を使った授業は今回が初めて。同校から依頼を受け、3年生の総合学習で美術を選考している生徒約30人を対象に指導した。
講師は、約400年ぶりに産地を復興させた塗師・池ノ上曙山さん(57)とその弟子3人が担当。根来寺根来塗の歴史についての説明や、沸騰した湯もじかに入れることができる特徴などを紹介した。
実技では、菓子入れ用の漆器作りに挑戦。ケヤキの木で作られた小皿を使用し、最も重要とされる下地作業に取り掛かった。漆を染み込みやすくするために紙で表面をこすった後、漆をなじませた布で丁寧に染みこませた。今後は漆を塗る作業を繰り返し、従来の工程を簡略化した方法で完成を目指す。
成川純人さん(17)は「初めてのことばかりで楽しく学べた。完成が楽しみ」と笑顔。池ノ上さんは「生徒は積極的で楽しく指導できた。地域の文化に誇りを持ってもらえれば」と話していた。