多機能小ホール求めて 文化団体ら署名活動
和歌山市の旧市立伏虎中学校跡地に開館予定の新市民会館の基本設計案を受け、現市民会館の小ホールを主に使用している団体などが、設計案の再検討を求める署名活動を進めており、18日には現会館前で署名を呼び掛けた。
発表された基本設計案では、小ホールの舞台周囲が壁で覆われ、コンサートホールのような形状になっており、花道や舞台袖がないことから、演劇関係者や雅楽、日本舞踊など伝統芸能の団体からは小ホールでの公演ができなくなるという声が上がっている。また、小規模興行の団体には大ホールが使いづらいこと、若手育成の場所がなくなることも懸念されている。
見直しの内容については、舞台上部にフライタワーを設置し、音響反射板や各種演出のためのバトンを設けることや、多機能舞台袖、一部可動の客席などを要望。9日には、要望書を市と市議会に提出した。
今回の署名活動には各団体のメンバー数十人が参加。通行人や、市民会館を訪れた人に署名を呼び掛け、声を掛けられた人は基本設計案の説明を受け、用紙に名前などを記入していた。
署名活動に参加した「和歌山の日本舞踊を育てる会」の吉村葵廣さん(56)は「新ホールでは発表会ができなくなり、もっとたくさんの人が使えるホールにしてもらいたいと思う。新市民会館について多くの人に知ってもらいたい」と話していた。
基本設計案は市議会一般質問などでも取り上げられ、議論される見通し。