シンガポール政府認定 金芽ロウカット玄米
米の総合メーカー、東洋ライス㈱(本社=東京都中央区・和歌山市黒田、雜賀慶二代表取締役)は19日、東京で記者会見を行い、同社が製造・販売している「金芽ロウカット玄米」が、シンガポール政府から、安全で健康に良い食品に認定されたと発表した。これを受け、シンガポールでの取り扱い店舗の大幅な拡大、病院や国立の料理専門学校での採用が決まり、同商品の本格的な海外展開が期待される。
「金芽ロウカット玄米」(海外での商品名「Kinmemai Better Brown」)は、玄米表面にある防水性の高い「ロウ層」を均等に除去することで、玄米の栄養価をほぼ残しながら白米のように炊きやすく、食べやすくした米。平成27年3月の発売以降、売り上げは順調に推移し、28年度は前年度比30%増の1300㌧を生産している。
シンガポール保健当局は一昨年から、国民の健康対策の一環で、白米が糖尿病の原因になるとして、精製度の低い米に変えるよう国民に呼び掛けてきた。同社の「金芽ロウカット玄米」は、こうした同国政府の取り組みに適合するものとして、安全で健康に良い食品・食材に対して同国健康促進局が付与する「ヘルシアチョイス」の認定を取得。海外向けの同商品パッケージには、右下に「ヘルシアチョイス」のロゴが印字されるようになった。
認定取得により、「金芽ロウカット玄米」と「金芽米」の取り扱いが同国の大手高級スーパー34店舗に大きく拡大した他、有名私立病院の療養食への採用、プロの料理人を養成する国立の専門学校での使用も決まった。
記者会見で雜賀社長は、健康に有効な機能性を持った米(メディカルライス)として、海外での日本産米の新たな需要を創出したことへの手応えを話し、「農業の活性化などの国家的課題の解決に貢献していきたい」と力を込めた。
さらに、プロの料理人を養成する学校での採用を喜び、「シンガポールの先進性を生かし、他の国々の人々にも健康と美味で寄与し、ブランドの確立を進めていきたい」と意欲を話した。