待望のジェトロ拠点 10月に県庁内に設置へ

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、海外との関係強化に意欲的な企業をサポートする「貿易情報センター」を県内に設置することを決定し、20日に県庁で設置決定通知書の手交式が行われた。

 ジェトロは国内唯一の貿易振興機関で、国内企業の海外進出や海外諸国による対日投資の促進をサポートしている。東京都港区に本部があり、全国42都道府県に拠点を持つ。海外55カ国にも74事務所がある。

 県内の事業者はこれまで、ジェトロ大阪本部を利用。県は事業者がジェトロを利用しやすい環境づくりに向け、3月14日には仁坂吉伸知事が東京都港区のジェトロ本部を訪れ、石毛博行理事長に対し、同センターの県内設置を求める要望書を提出していた。

 手交式には、ジェトロの赤星康副理事長と仁坂吉伸知事をはじめ、両者の関係者が出席。赤星副理事長から仁坂知事に設置決定通知書が手渡された。

 赤星副理事長はジェトロの3大ミッション「企業の海外展開支援」「対日投資の促進」「農林水産物の輸出支援」を紹介。県内の強みとして果物の品質の高さや豊かな観光資源があることなどを挙げ「大きなポテンシャル(潜在力)を感じている。ジェトロのネットワークを通じてサポートしたい」と話した。

 ジェトロのミラノセンターに勤務した経験がある仁坂知事は「本当にありがたい。海外展開の際に一番助けてくれる機関。(県内の)産業界や行政がこぞって対応していきたい」と喜びを語った。

 県内に設置される同センターは国内45
番目の事務所。海外進出に関する事業者からの相談に対応する。ことし10月に県庁東別館に設置される予定で、所長をはじめ職員4人を配置する。同センターが都道府県庁内に設置されるのは和歌山が初めてで、職員とは別に地元経済界の有力者を会長に委嘱する予定。

赤星副理事長㊧から設置決定通知書を受け取った仁坂知事

赤星副理事長㊧から設置決定通知書を受け取った仁坂知事