南葵音楽文庫活用も 澤さん音楽監督4期目
和歌山市西高松の県立図書館の音楽監督に、本年度も、和歌山市出身のバイオリニストで東京藝術大学学長の澤和樹さん(62)が委嘱された。
澤さんへの委嘱は4期目。16日に県庁南別館の教育長室で、宮下和己県教育長から委嘱状を受け取った澤さんは、このほど県に寄託された南葵音楽文庫の活用にふれ「世界的に見ても貴重なもの。図書館併設のホールのメリットを生かしながら、県内外の皆さんに興味を持ってもらえるような企画を積極的に立ち上げたい」と抱負を語った。任期は来年3月31日まで。
主な職務は同館主催の演奏会への総括的監督、音楽文化や芸術に関する文化発信に関する助言など。澤さんは平成26年の委嘱以来、同館主催の室内楽コンサートの企画や演奏会への出演、ホールの音響改善の助言などを行い、地域文化の振興に寄与してきた。
委嘱式で、宮下教育長は「2021年の国民文化祭や全国高校総合文化祭などを控え、県の文化力を上げていきたい。今まで以上にご指導いただければ」と期待を寄せた。
澤さんは3年間を振り返り「敷居が高いと思われがちなクラシック音楽が、ごく一部の人だけのものでなく、着実にファンが増えていると実感する」と手応えを語り、「演奏者とお客さんの親密な関係が築ける理想的なホール。音響をさらに充実させ、一流の演奏家たちが『ぜひ利用したい』と思うような施設にしていきたい」と意気込みを話した。