IC建設現場で安全パトロール 労働局長ら
労働災害の防止を目指す全国安全週間準備期間(6月1~30日)に合わせ、和歌山労働局は21日、和歌山市森小手穂で進められている阪和自動車道和歌山南スマートインターチェンジ(IC、仮称)建設工事の現場で安全パトロールを行い、無事故での施工に向け、中原正裕局長らが工事関係者の説明を受けながら、工法や安全管理の在り方などを確認した。
同IC新設事業は平成25年6月11日に事業許可を受け、ETC搭載車を対象とする本線直結型のフルICを建設するもの。県道和歌山橋本線を接続道路とし、計画交通量は一日約7900台、概算事業費は約35億円、30年度中の供用開始を目指している。請け負い業者は㈱淺沼組(大阪市)。
安全パトロールには工事発注者であるNEXCO西日本関西支社和歌山工事事務所の関係者も同行。土にコンクリートを練り込み、自動車の重圧に耐えられる地盤づくりをする「地盤改良工」と、穴を掘削しても土が崩れにくくなるよう、粘着性を高めることができる無害の薬液を土面に注入する「薬液注入工」の二つの作業現場を視察し、薬液注入工の現場では、中原局長が説明を求め、淺沼組の現場代理人が応じていた。
視察後の講評でNEXCO西日本関係者は「広い現場の中で、仕切りやコーン標識を効果的に使用し、うまく整備されている」、労働局関係者は「視界確保のため、現場内の詰め所の窓が大きく設置されており安全への意識の高さが確認された」と評価。
中原局長は「県民からの期待も大きく公共性の高い工事なので、各業者の専門的見地からの注意喚起を行い、発注者、受注者が一丸となって無事故、無災害で完成を迎えてもらいたい」と話した。
県内の労働災害による死亡者数は3年連続で増加し、昨年は14人(うち7人が建設業従事者)となっている。