家康紀行(22)期間限定「浜松出世の館」

前号では「出世の街」浜松の魅力発信に活躍する市のマスコットキャラクター「出世大名家康くん」と、「出世法師直虎ちゃん」を取り上げた。今週は浜松市の魅力を発信する施設を紹介したい。
浜松駅から程近い市街地に、井伊直虎や徳川家康の活躍と、ゆかりの地を紹介する観光案内施設「浜松出世の館」が、大河ドラマの放映に合わせオープン。直虎の生涯を説明するパネル展示をはじめ、ドラマで使用された徳川家康役の衣装(甲冑)の展示、さらに浜松市出身の実業家らの功績を紹介している。
29歳から45歳まで浜松で天下人への礎を築いた家康公にはじまり、楽器や発動機といったものづくりの街として世界に誇る企業を生み出したことは、うなぎや餃子などこの地ならではの活力の源となる食、そして豊かな自然が、自己成長や夢の実現に向かって励む人々にとっての心の原動力になっていることを伝えている。
なかでも浜松ゆかりの偉人による語録の展示では、遠州地方の「やらまいか精神」の実例を紹介。1900年に国産第一号のピアノを作った山葉寅楠氏(1851―1916)や楽器産業の発展を支えた河合小市氏(1886―1955)、日本のテレビの父といわれた高柳健次郎氏(1899―1990)、スズキの創業者で自動車やオートバイを開発し世界的な企業へ育てた鈴木道雄氏(1887―1982)、町工場を世界のホンダへと育てた本田宗一郎氏(1906―1991)などが残した語録は、どれも心に響くもの。ぜひ、実際に訪れふれてみてほしい。
同館は来年1月末までの期間限定。入場料は無料。土曜・日曜を中心に、家康くんや直虎ちゃんに会えるチャンスも。スケジュールは事前に家康くんのオフィシャルサイトにある「出陣カレンダー」で調べられる。

(次田尚弘/浜松市)