家康紀行(30)カクテル感覚の「みかんハイボール」

前号では浜松市の三ヶ日地区特産の「青島みかん」の特徴と、旨味を引き出す工夫を取り上げた。この地域では丹精込めて作ったミカンの良さを年間を通して消費者に味わってもらおうと、商品開発や宣伝に余念がない。今週はその事例を紹介したい。
三ヶ日地区での取材を終え浜松市内で宿泊した際、近くの居酒屋で出会ったのが「三ヶ日みかんハイボール」。聞けば、前号で紹介の果汁100%のジュースを使っているという。ハイボール人気が出始まった数年前、地元のJAや飲料メーカーが協力しご当地のミカンを使用したハイボールを生み出し、静岡県内の飲食店で提供できるよう積極的な活動が行われたという。
実際に飲んでみるとジュースをストレートで飲むのとは違い、一口目に感じる酸味に炭酸のキレが相まって爽快。氷とソーダ、ウイスキーで割っているのにミカンの濃い甘みが感じられ、お酒であることを忘れてしまうほど飲みやすい。「色がきれいで柑橘の香りが特徴なのでカクテル感覚で飲めるんです」と店員さん。
作り方を教えてもらった。①ジョッキに氷をいっぱいに入れる②ウイスキーを注ぎ十数回混ぜる③炭酸水を注ぐ④ミカンジュースを注いで軽く混ぜる――というもので、ウイスキー:炭酸水:ジュースの比率は1:3:1が目安だという。
和歌山県産のミカンジュースで表現できないか検証してみると、一口目の酸味は薄いもののおいしくいただくことができた。ジャバラジュースを混ぜればさらにおいしくなるのではと気付いた筆者。まだまだ暑いこの夏を、いろいろなみかんハイボールで乗り切りたい。
(次田尚弘/浜松市)