子ども落語全国入賞 楽落会の小学生2人

 小中高校生が落語で競い合う「第9回ひむかの国こども落語全国大会」が宮崎県日向市で開かれ、笑いの文化研究や発表の活動をしているボランティア団体わかやま楽落会の「ぴょんぴょん亭うさぎ」こと小阪はやのさん(岩出市立岩出小5年)が優秀賞、「甘辛亭ちきん」こと坂井俊介君(同市立中央小5年)が日向市文化連盟会長賞に輝いた。

 同会所属の子ども落語家の入賞は、一昨年の「勇気出し亭うな晴」こと中部晴陽君(当時和歌山市立雑賀小5年)の優秀賞、昨年の坂井君の最優秀賞に続く3年連続の快挙。
 2人が出場した小学生の部には33人がエントリー。1人10分ずつネタを披露し、予選、決勝が行われた。小阪さんは決勝進出の8人に入り、小学1年生の時に獲得した審査員特別賞以来の入賞。坂井君は初出場の昨年に続く決勝進出はならなかったが、特別賞に選ばれた。

 小阪さんは、男が芸事としてあくびを習いに行く「あくびの稽古」を披露。昨年参加した女性落語家の大会でこのネタを聴き、興味が湧いて練習を始めた。ネタには、きせるを吸うシーンもあり、吸い方が分からなかった小阪さんは、同会メンバーに使い方を教えてもらった。

 坂井君は、権兵衛という男がいたずらしたタヌキをこらしめる「権兵衛狸」を演じた。DVDで見たネタが面白く、時々練習はしていたが、ことしから本格的に稽古し、大会に臨んだ。権兵衛のゆっくりとした語りや登場人物の方言など、話すのが大変だったという。

 7月29、30日の大会当日、予選で最初に登場した坂井君は、緊張する間もなく高座へ。しゃべりのテンポが速くなり、声の出方も良くなかったと振り返るが、審査員からは笑顔とタヌキの毛をそる際のかみそりの持ち方を褒められた。

 毎年出場している小阪さんは、ゆっくり話すことを心掛けながらネタを披露。予選では、きせるの持ち方やあくびの表現について指導を受け、決勝ではそれらを改善。それでも、予選の方がうまくできたのではないかと振り返った。

 小阪さんは「(最優秀ではなく)優秀賞なのは悔しいけど、出場できて良かった。これからも自分の落語でみんなに笑ってもらいたい」、坂井君は「決勝には出られなかったけど、賞はもらえてうれしい。もっとみんなに笑ってもらえるように努力していきたい」と話していた。

かみそりを構える坂井君㊧、きせるを手にする小阪さん

かみそりを構える坂井君㊧、きせるを手にする小阪さん