県内は全教科で改善 全国学力テスト結果
文部科学省は28日、4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表した。県内の平均正答率は全教科で全国平均との差が大きく改善され、県教育委員会は「継続的取り組みの成果がようやく見えてきた」と話している。
県内は公立小中学校と特別支援学校、義務教育学校を対象に、小学校235校、中学校121校で実施。主に知識に関する国語A、算数・数学A、主に活用に関する国語B、算数・数学Bの問題と、生活・学習習慣についての質問紙調査を行った。
国語Aと算数・数学のA・Bの平均正答率は全国平均と同等となった。国語Bは小学校で57%(全国58%)、中学校で70%(同72%)と全国平均をやや下回ったが、昨年度をやや上回った。
問題の無回答率は全教科で全国平均を下回り、これまで課題とされてきた記述式問題の正答率も小学校の国語Bと算数B、中学校の数学Bで全国平均を上回り、児童生徒の書く力の定着がみられたとしている。
生活・学習環境に関する質問紙調査では、「授業の中で目標(めあて)が示されていたと思う」との質問に「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」と答えた割合は小中学生ともに全国平均を上回り、「授業の最後に学習内容を振り返る活動をよく行っていた」という質問に「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」と答えた小学生は81・8%(全国76・2%)と上回り、中学生は65・2%(同66・1%)で全国と同程度になり、取り組む姿勢の向上がみられた。
また「普段1日当たりどれくらいの時間、テレビゲームをするか、携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットをするか」との質問に対して「2時間以上」と答えた割合は小中学生ともに高く、中学生に関してはテレビゲームで44・4%(同37・6%)、スマートフォンで38・8%(同32・2%)と全国平均を上回った。
結果を受けて県教委は、学力については全国平均に並んだことで「ようやくスタートラインに立てた状態」だとし、今後も安定して結果につながるよう市町村教委と共に取り組みを深めていきたいとしている。