寺本が劇的な復帰弾 アルテリーヴォ連勝

関西サッカーリーグ1部は2、3の両日、各地で第11節の4試合が行われ、ホームのアルテリーヴォ和歌山は2日、和歌山県和歌山市毛見の紀三井寺陸上競技場でバンディオンセ加古川と対戦。試合終了間際に、けがから復帰したDF寺本の劇的ゴールでスコアレスの均衡を破り、1―0で連勝を飾った。

雪辱に燃えるセンターバックがやってのけた。試合は両チームともに決め手を欠き、0―0のまま後半アディショナルタイムに突入。DFラインから敵陣ゴール前に上がった寺本は、セットプレーからFW澤野の折り返しを頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。「澤野からパスが来ると思った。自然に体が動いてあのポジションに入れた」。大仕事を成し遂げた守備の要は、笑顔で決勝点を振り返った。

寺本にとってバンディオンセは因縁の相手だった。5月20日の前期第4節、バンディオンセ戦。寺本はゴール前の競り合いで相手選手に右足を挟まれ、着地時に足首を負傷した。診断は靱帯(じんたい)断裂。全治3カ月を言い渡された。

練習に復帰したのは、試合の約3週間前のことだった。復帰したとはいえ、状態はまだ70%程度。長期間、体を動かしていなかったために足首周りの筋肉が固まり、プレーの際は痛みが生じた。走る時も力の入りにくい右足をかばいながらだった。後半20分以降はバンディオンセに攻め込まれる時間帯となったが、最終ラインから鼓舞し続けた。「0点に抑えれば負けることはない。なんとか勝ちたかった」。万全の状態ではない中、復帰後初となる公式戦で攻守に存在感を見せた。

劇的勝利に坂元監督は「最後に意地を見せてくれた」と結果を評価しつつも、「戦術的には良かったが、細かい部分や精神的な部分で課題はある」と振り返った。寺本は「まだまだ満足はしていない。次の試合も勝てるように気持ちを出してやりたい」と次節を見据えた。

リーグ成績は7勝4敗で3位。次節は10日、アウェーで阪南大クラブと対戦する。午前11時半キックオフ。

試合終了間際、ヘディングでゴールを決める寺本

試合終了間際、ヘディングでゴールを決める寺本