アームレスリング全日本Jr優勝 中島さん
和歌山県和歌山市餌差町の会社員、中島健輔さん(21)が、東京で行われた15歳から21歳までが競う「第29回JAWA全日本ジュニアアームレスリング選手権大会」75㌔級レフトハンドの部で初優勝した。アームレスリングを始めて、わずか2年。中島さんは「一般の部でも優勝できるぐらいの力をつけ、いずれは世界大会を目指したい」と、さらなる高みを目指している。
中島さんは伏虎中学校では野球部、箕島高校では相撲部で汗を流した。高校時代から腕相撲には自信があり、通っていた整骨院の院長の勧めで、アームレスリングチーム鉄腕紀州(同市六十谷)に入会。筋力トレーニングや実践練習に励んでいる。
「卓上の格闘技」ともいわれるアームレスリング。相手の手首を巻き込みながら落とし込む「かみ手」、相手の手首をそらすように攻める「つり手」という2種類の戦術があり、中島さんが得意とするのはパワー勝負の「かみ手」。腕の力だけでなく、テクニックや戦術で、体格の違う相手にも勝つことができる面白さに強く引かれたという。
レフトハンドの同階級には12人がエントリー。決勝では、敗者復活から勝ち進んだ、世界大会出場経験のある相手と対戦。2本先取で、予選トップ通過の中島さんには1勝のアドバンテージがあった。予選では同選手と対戦し快勝していたが、1戦目、つり手が得意の相手選手に対し、得意の組みに持ち込めず負け。「それが逆に吹っ切れた」といい、2戦目は集中力を高めて挑んだ。互いの腕が離れないように固定するストラップ戦に持ち込み、つられないよう親指の関節を抑え込む対策が功を奏し、圧倒的な力で相手をねじ伏せ、頂点をつかんだ。
一瞬の勝負の中にある、駆け引きが楽しいといい「手と手ががっちりと入ったら、何が何でも負けない自信がある」と中島さん。70歳までの16人が所属する鉄腕紀州の中でも最年少で、仁尾和紀代表(43)は「自分の得意なかたちに持っていくのがうまい。人一倍努力する選手で、吸収が早く今後の伸びしろも大きい」と期待。「手首の力は強いが、今後一般の部で戦うには胸や背中の筋肉をつけて、体全体のパワーアップが重要でしょうね」と話している。
ことし6月には、愛媛国体のデモンストレーションスポーツとして実施されたアームレスリングに参加。「国体の本競技になるくらい、もっと愛好者が増えてほしい。若い人にも関心を持ってもらえるよう、盛り上げたい」と、競技人口の増加と普及も願っている。