災害に備え機材輸送訓練 海保と通信3社

大規模災害の発生に備え、通信資機材を海上輸送する訓練が21日、和歌山県和歌山市築港の和歌山港岸壁で行われ、第五管区海上保安本部と大手通信会社の㈱NTTドコモ、ソフトバンク㈱、KDDI㈱の3社から約40人が参加した。

3社と海上保安庁は、平成26年から27年にかけて「災害時における通信の確保のための相互協力に関する協定」を締結。両者による合同訓練は全国各地で行われており、県内では初めて実施された。

訓練は午前と午後に分かれ、運搬が容易な「可搬型衛星エントランス基地局」や発電機が付いた充電器など各社の通信資機材を巡視艇「きいかぜ」に積載。約30分間にわたって港内を航行し、船体の揺れや水しぶきに見舞われる中、資機材の安定が保てるかを確認した。

第五管区海上保安本部総務課の佐藤知行危機管理係長は今回の合同訓練について「昨年と比べて使用した船が小さく、揺れや水しぶきが大きい中、資機材の安定性を確認するのが大きな狙いだった」と説明した。

KDDI関西総支社管理部の津野由美マネージャーは、船に積載した充電器について「充電器を持って避難する人は少なく、必要性は高いと考えている。比較的小さい船で輸送ができたことは大きいと思う」と手応えを話していた。

通信資機材を運ぶ参加者ら

通信資機材を運ぶ参加者ら