技術と工夫の現場 和高専ノーリツ見学
和歌山工業高等専門学校(和歌山県御坊市、角田範義校長)の電気情報工学科2年の学生45人(男子39、女子6)は26日、写真処理機器などの開発・製造・販売を手掛けるノーリツプレシジョン㈱(和歌山市梅原、星野達也社長)を訪問。工場見学や質疑応答を通して、同社の事業内容や和歌山で働くことの魅力を熱心に学んだ。
初めに同社管理部総務課の吉川祐亮さんが、世論に影響を与えた報道写真を例に「写真には社会に伝えたいことを訴えられる奥深い魅力がある」と話し、「優れた写真処理機を開発して顧客に感動を与えたい」と同社の経営理念を強調した。さらに、和歌山での住環境について、都市部と比較すると家賃や生鮮食品などが安価であることを示し「住むなら和歌山ですよ」とPRしていた。
学生らは二つのグループに分かれて同社工場の製造現場も見学。板金加工、機械工作や樹脂成形など、製造工程の各所で徹底した品質管理
が行われている様子に見入り、加工品のサンプルを手に取っては興味深く観察していた。
参加した野田綾音さん(16)は、「部品を1カ所に集約することで生産性を高める工夫をしていることを知って素晴らしいと思った」と話していた。
吉川さんは「学生たちが将来、工業系の仕事に従事されるときに参考になるような説明を心掛けた。和歌山で働くことの魅力を知ってもらえる機会にもなれば」と話していた。
同社は、出力機器、画像補正、画像解析などの技術を駆使した「イメージング事業」、輸液ポンプや見守りシステムを応用した「医療・介護機器事業」、顧客のニーズに応じる「開発・製造受託事業」の三つの事業領域でビジネスを展開し、海外180カ国に顧客を持つ。世界がその独自技術を認め、売り上げの約75%を海外市場によるものが占めている。