あわび茸ファーム完成 和島興産が岩出に
黒あわび茸を生産する和島興産㈱(梅田千景代表取締役)の新工場「あわび茸ファーム」が9月30日、和歌山県岩出市根来に完成した。それに伴い1日、竣工セレモニーが行われ、テープカットで完成を祝福。内部見学会や黒あわび茸の試食会が催された。
黒あわび茸はヒラタケの仲間で、アワビのようなコリコリとした食感が特徴。ビタミン、ミネラル、植物繊維を多く含む健康食材として近年、注目されている。
同社によると、工場は同社の新たな事業の拠点として5月中旬に着工。敷地面積は約831坪で、敷地内には工場と事務所を構える。年間約60㌧の黒あわび茸の生産を見込んでおり、県の特産品を目指して全国に出荷するという。
工場では培地を高圧蒸気で無菌化し、冷却室を通した培地に菌を植え付ける。パレットに詰め込んだ後、温度22度前後、湿度70%に設定した部屋で30日間培養。湿度90%の部屋で2週間ほど保管し、直径10~15㌢の円状の黒あわび茸に育てる。
セレモニーには約50人が参加。梅田代表取締役は「和歌山から全国に黒あわび茸を広げていきたい」とあいさつし、来賓とともにテープカットで工場の完成を祝った。
その後工場内部を見学。試食会では黒あわび茸のバターソテーや天ぷらを振る舞い、出席した来賓はその味と食感を楽しんでいた。