免許返納者1割引 県内初タクシーサービス

 タクシー会社の和歌山第一交通㈱(和歌山県和歌山市福島、高野福己社長)は、運転免許証を返納した高齢者を対象に運賃を1割引きするサービスを県内で初めてスタートさせた。アクセルの踏み間違いや逆走など高齢ドライバーの運転ミスによる交通事故が相次ぐ中、免許証の自主返納を促すとともに、代替の「生活の足」としての役割を担う。

 65歳以上の高齢者数が全人口の3割(30万4735人、平成29年1月1日現在)を占める県では、高齢者の交通事故が全事故の3割に達する。県警によると、28年中の高齢者ドライバーによる事故は847件。出合い頭の衝突や追突などが多く、事故防止が急務。

 サービスは同社とグループ会社の御坊、白浜、熊野第一交通㈱の9営業所の約280台で実施。割引を受けるには、清算時に「運転経歴証明書」を運転手に提示する。証明書は交通センターか各警察署の窓口で、免許証を返納後申請すれば交付される。

 電車やバスなど公共交通手段が少ない地域では、日常の買い物や通院などの移動手段に自動車が不可欠になっているケースが多い。同社は「都市圏に比べ地方では山間部などで不便な思いをされている高齢の方が多い。地元企業として地域のお役に立ちたい」と利用を呼び掛けている。問い合わせは同社(℡073・452・2304)。