防災担当相が視察 冠水被害の紀の川市
台風21号により大きな冠水被害を受けた和歌山県紀の川市貴志川町を27日、小此木(おこのぎ)八郎内閣府防災担当大臣を団長とする政府の調査団が視察に訪れ、仁坂吉伸知事や同市の中村愼司市長らと意見を交換した。
紀の川市では、台風に伴う大雨で貴志川の水かさが増し、同川に接続する用水路が氾濫。県によると、市内の浸水被害は床上が113棟、床下は60棟に上り、特に丸栖地区と桃山町調月(つかつき)地区で大きな被害が出た。
調査団は、内閣府や農林水産省、経済産業省などの防災担当者約20人で構成。大阪府岸和田市で土砂崩落の現場を視察した後、一行は午後5時ごろ丸栖地区に到着。貴志川に沿って立つ堤防の上から冠水があった現場を視察し、国土交通省近畿地方整備局の職員から被災当時の状況などについて説明を受けた。
視察後は同市役所に移動し、仁坂知事や中村市長らと意見を交換。県の側から県内農林水産業関係の被害額(26日現在)が4億1683万円に上ることや、被害を受けた企業が118件にもなっていることなどが報告された。
意見交換終了後、会見に応じた小此木大臣は「現場を視察し、改めて被害の大きさを知ることができた。冠水対策の調査を行う必要がある。県や紀の川市と一緒になって復興を前に進めていきたい」と述べた。