紀の川市W選 市長は無投票、市議2人超か
19日投開票の和歌山県紀の川市長・市議のダブル選挙は12日、告示される。市長選は4選を目指す現職・中村愼司氏(75)の無投票再選が濃厚。一方の市議選は定数22に対し現職19、元職1、新人4の計24人が立候補を予定しており、2人オーバーの戦いになりそうだ。
中村氏は6月議会で出馬を表明。高田亮平後援会長によると、後援会は表明を受けて本格的に活動を開始し、企業や団体など200以上の推薦を受けているという。市内2カ所で決起集会も実施し、「いつ選挙になってもいいように後援会組織の引き締めは怠っていない」と話す。他の立候補予定者の動きはなく、無投票再選の可能性は高い。
市議選は、前回に続く市長選の無投票濃厚が影響してか、低調ムードは否めない。10月19日に開かれた立候補予定者説明会で選挙戦となる可能性が浮上し、急ピッチで選挙の準備を進めてきた候補者もいる。選挙戦突入が濃厚となると、各陣営は改めてかぶとの緒を締めた。これまでの前哨戦で一定の票は固めたとみられる。一部では前回の選挙戦での強力な支援者を今回失い、苦戦が予想される陣営もいるが、着実に地盤を固めている印象だ。
一方、共産、維新それぞれから出馬予定の新人は党の組織を背景に議席獲得を狙う。引退する父親の後を継ぐ無所属新人も虎視眈々(たんたん)。前回112票差で涙をのんだ元職も、懸命に返り咲きを狙う。
投票率が低下すると、上位当選者が票を大きく取った場合は下位群の接戦が予想される。前回はトップ当選が2633票と飛び抜け、1000票前後の当確線上では5人がしのぎを削った。新人は現職に劣る知名度や不安定な地盤といった不利な点はあるものの、現職の引退票や浮動票をどれだけ取り込めるかが当落を左右しそうだ。
市選挙管理委員会は10日、街頭演説で使う標旗や腕章など立候補者に交付する「七つ道具」を点検、仕分けた。市内280カ所にポスター掲示板の設置も済ませ、本番を待っている。
期日前投票は市役所など市内5カ所で午前8時半から午後8時まで実施。10月9日現在の選挙人名簿登録者数は5万4549人(男2万5620人、女2万8929人)。
立候補の届け出は12日午前8時半から午後5時まで市役所で受け付ける。