期日前増も投票率は低下か 紀の川市議選
19日投開票の和歌山県の紀の川市議選は、終盤戦に突入した。候補者は市内全域を街宣車で巡回し、引退議員の票や浮動票の取り込みに奔走。残り期間もわずかとなり、陣営は投票率の行方を気にしている。市議選では過去3回連続で低下しており、今選挙は主立った争点がない上、市長選の無投票も影響してか「下がる」との声が少なくない。
市議選の過去の投票率をみると、回を重ねるごとに10㌽近く低下。市合併後初となった平成17年は80・94%だったが、21年は71・92%、25年の前回は62・59%と、過去2回に比べて大幅に下落している。旧5町別でみると、前回の選挙で最も高かった地域は桃山の72・59%。最も低かったのは貴志川で57・48%だった。
投票率については陣営の意見に大きな相違はない。9人の新人が乱立した前回より盛り上がりに欠けるのが現状で、投票率が上回るという見方はほぼない。有権者の反応がいいと話す陣営ですら「よくて同等。上回るのは難しいのでは」と話し、桃山の現職幹部は「前回と同じ程度」と予想する。
一方で、4期目を目指す現職は「60%を切るんじゃないか」と分析。2期目を目指す現職陣営も「事務所にいても他の街宣車が全く通らない。相変わらず低調で投票率はかなり下がるかもしれない」と危惧する。
期日前投票は、開始からの3日間で過去最高のペース。初日は941人(前回832人)、2日目は2221人(同1896人)、3日目は3997人(同3340人)で着実に増加。前回も期日前投票者数は増えはしたが、投票率アップにはつながっていない。
市選挙管理委員会は投票率を上げようと期間中に3度、防災行政無線で周知。当日投票に行けない有権者に、期日前投票を呼び掛けている。市議選では初めて18歳選挙権が導入されることから、市内の高校と大学に投票日や投票所の一覧、期日前投票制度の詳しい説明などを記したチラシとのぼりを設置して啓発している。