与論の父娘2人展 20日まで紅型染めと油絵
鹿児島県与論島出身で、大阪を拠点に紅型(びんがた)染めの創作活動をしている紅若菜さん(37)と、父・清野土半さん(78)による初めての2人展「島風景の油絵と紅型染め」が20日まで、和歌山県和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。
紅若菜さんは島で生まれ育ち、琉球大学に進学。在学中に出合った琉球紅型にひかれ、沖縄で修行後、独立した。
会場には、かばんや財布、髪留め、着物帯など伝統の配色が施された色鮮やかな小物が並ぶ。紅型の古典柄に加え、紅若菜さんがデザインし一つひとつ手作業で染めたもので、島に咲くブーゲンビリアやハイビスカス、ウミガメなど幼い頃から親しんだ与論の自然に着想を得た。
壁面には、島で看板業を営んできた父が島の風景を描いた油絵15点を展示。「与論の風や匂いを感じてもらえたら」と考えている。
2人展への娘の誘いに〝渋々〟応じたという土半さんも終始笑顔。油絵とともに島から持ち込んだ珍しい果物も飾られ、会場には南国ムードが漂う。紅若菜さんは「『いつか父と』と思っていた。遠方から友人が駆け付け喜んでいる父の姿を見るのがうれしい」と目を細めた。
問い合わせは同ギャラリー(℡073・431・8255)。