大江氏が次期知事選に出馬表明 来年12月
元参議院議員で自民党県連会長代行の大江康弘氏(63)が27日午後、任期満了(来年12月16日)に伴う次期知事選への出馬を正式に表明した。和歌山県民や地域に寄り添う県政を掲げ、県庁機能の一部移転や公共事業の指名競争入札復活などを目指すと訴えた。次期知事選への立候補表明は大江氏が初めて。3期目の仁坂吉伸知事は態度を明らかにしていない。
和歌山市内のホテルで記者会見した大江氏は、仁坂県政について「現場の職員に裁量がなく、(地域課題への)対応にスピード感がない」とし、「県のために団結する雰囲気がなく、職員のやる気も下がっているのではないか」と述べた。
県政を県民に身近な存在とするための政策として、和歌山市に集中している県庁機能のうち、観光や農林水産などの部局を県内各地に移転させるとし、約1週間単位で各振興局を知事の執務場所とする考えを示した。
地域の活性化策では、土木・建設業が地方の基幹産業との考えから、仁坂知事が官製談合防止に向けて導入した一般競争入札について「地域の土木業者を育てず、(結果的に)地域コミュニティーを衰退させている」と批判し、指名競争入札を復活させ、地元業者を強化することが地域経済の振興や災害対応能力の強化につながるとした。
大江氏は会見に先立ち、27日午前に自民党県連事務所を訪れ、吉井和視幹事長に知事選での公認申請書を提出。仁坂知事は平成26年の前回選で自民の推薦を受けており、県連の対応が注目される。大江氏は「党の公認か推薦をもらう。県民の思いを実現するため、きょうの記者会見を無駄にすることはない」と述べた。
大江氏は白浜町出身、芦屋大学卒。25歳で県議に初当選し、6期務めた後、平成12年の知事選に出馬したが、木村良樹前知事に敗れた。国政に転じ、13年に自由党、19年に民主党から参院選に2期連続で当選。改革クラブや幸福実現党にも一時在籍した。