障害者福祉の充実訴え きょうされん啓発

全国の障害者福祉事業所などでつくる「きょうされん」は障害者週間(3~9日)に合わせ、障害福祉の法制度拡充を国に請願する全国キャンペーンを展開している。和歌山県和歌山市内では5日、JR和歌山駅前で、共同作業所8カ所の利用者約50人が啓発活動を行い、請願への署名や募金への協力を呼び掛けた。

きょうされんは、障害者差別解消法が施行された一方で、障害者への誤解や偏見が社会には根深く残され、財政抑制を主眼として効率化や生産性を第一義に追求する現在の社会保障施策にも問題があると訴えている。

請願の項目は、障害者が家族に依存することなく自立するための所得保障と生活支援制度の確立▽深刻な職員不足の解決に向け、月額賃金が一般労働者の平均より10万円も少ない福祉職の報酬体系を抜本的に見直す▽障害者が65歳を超えても必要とする制度を原則無償で使えるよう、障害者総合支援法の介護保険優先原則を廃止する――などとなっている。

作業所の利用者らは、駅利用者らに請願の内容を説明し、署名や募金への協力を呼び掛け、多くの人が足を止めて協力していた。

きょうされん理事の鈴木栄作さんは「作業所に勤務することは、障害者にとってやりがいや生きがいを感じるものなので、長く仕事を続けられるよう、報酬を改善してほしい」と話していた。

署名に協力する駅利用者

署名に協力する駅利用者