新鮮ワカメを刈り取り 大崎で体験と試食
和歌山県海南市下津町の沿岸部、大崎地区の名産ワカメの刈り取り体験が3日、同地区のげんき大崎館「かざまち」(山中誠也会長)で開かれた。約20人の参加者は、磯の香りが漂う中、新鮮なワカメを収穫する珍しい体験を楽しみ、採れたてのワカメの軟らかい葉の部分をしゃぶしゃぶで味わった。
名産のワカメは大崎湾で養殖され、4月に胞子を採取し、5月初旬に種植えを行う。11月初旬までは水槽で管理するが、中旬からは波の少ない静かな海に移して育てる。春は成長期にあたり、葉の部分が全長2㍍にまで大きくなる。
体験会では、生産者の魚田芳弘さん(76)からワカメの養殖法や各部位の名称などの説明があった後、参加者は軍手を着用し、陸に引き揚げられた養殖ワカメのロープから、長いワカメを広げながら包丁で丁寧に刈り取った。
さらに、粘りの強い茎の部分のメカブを刻む体験や、酢の物などの調理を学ぶコーナーもあった。刈り取りの後は、同館2階のカフェで、しゃぶしゃぶを楽しみ、新鮮なアシアカエビやサゴシなどと共に海の恵みに舌鼓を打った。
家族で参加した和歌山市園部の堀野日菜子さん(18)、芽衣子さん(15)、藍子さん(8)は「茎の方からワカメを包丁で切る感覚が楽しかったです」とにっこり。
台湾出身で、大阪経済法科大学4年の蘇意雲さん(23)と、母国でITエンジニアを務める林雨欣さん(27)は「台湾でもワカメを食べますが、刈り取り体験は初めてです。おいしいものが大好きなので、参加して良かったです」と話していた。