島久美子氏が出馬表明 7月の和歌山市長選
任期満了に伴う和歌山市長選(7月22日告示、29日投開票)に、一般社団法人「共助のまちづくり協会」理事長の島久美子氏(62)が立候補を表明し、4月28日に市内で記者会見を開いた。
市民連合わかやまから出馬の打診を受け、島氏は驚いたが仕事仲間と相談し「福祉の現場で生きる人とスタッフが、行政の壁に当たるところを見てきた。普通の市民、女性の目線で挑戦し、関心のなかった全ての市民に問い掛けてみようと思った」と決意したという。
島氏は和歌山市出身。和歌山信愛女子短期大学卒業後、子どもの文化芸術活動と子育て支援を進めるNPO「子ども劇場」に28年間勤務。2010年の参院選和歌山選挙区に当時の民主党公認候補として出馬したが、自民党の鶴保庸介氏に敗れた。現在は「共助のまちづくり協会」理事長として障害者アートや福祉事業所の従事者をケアする活動に取り組む。
現在の市政については「全否定するわけではないが、新市民図書館の運営も、どのようなプロセスでつくられるのか市民に納得されずに進められていることが問題。オープンマインドで市民や専門家と意見を通わせていきたい」とし、市が誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)については「依存性の高さが不安。ギャンブル依存症の人を支えている知人もいるので、苦しさは知っている。和歌山にはいらないのでは」と話した。
市長選では、現職を推薦する政党以外の全ての政党に推薦を依頼し、あらゆる人々に参加を呼び掛ける市民参画型選挙を進めたいとしている。5月中旬までに団体をつくり、政策を発表する予定。
島氏は「全国の2・5%しか女性市長はいない。行政については素人、でもこの視点が今は大事なのでは。不器用でもいろんな人の知恵や力をつないでつくることで『ええやん』と思える市になると信じている」と語った。
市長選には現職の尾花正啓氏(65)が2選に向けて立候補を表明しており、自民、公明、民進、希望の党が推薦を決めている。