動物愛護のラッピング電車 貴志川線で運行
和歌山電鐵㈱(小嶋光信社長)貴志川線で18日、動物愛護を啓発する「日本動物愛護協会ラッピング電車」の運行がスタートし、和歌山県和歌山市伊太祈曽の同線伊太祈曽駅ホームで出発式が行われた。
環境省の統計によると、2016年度に全国の自治体の保健所や動物愛護センターに持ち込まれた犬と猫は11万3799頭で、そのうち5万5998頭が殺処分され、特に猫は殺処分の8割以上を占めている。同協会(東京都、杉山公宏理事長)は動物たちが置かれている現状を知ってもらい、改善するため、昨年10月、猫を駅長として大切にしている同線でのラッピング電車運行を提案した。
ラッピング電車は2両1編成。外側にはイラストレーターのボンボヤージュさんの犬や猫のかわいらしいイラストと「守ろう 小さな命」というメッセージが描かれ、車内にもイラストや中づり、ポスターを掲示。中づりには「飼えないならふやさないでね」「約束だよ すてたりいじめたりしないって」などと書かれ、ポスターでは飼い主に求められる条件などを訴えている。
出発式には、同社の松原道寛鉄道部長や同協会の廣瀬章宏事務局長、伊太祈曽駅のよんたま駅長らが出席。廣瀬事務局長は「動物愛護に関心のない方にどう伝えるかが課題。乗ってもらうことでお子さんや親御さんに動物愛護のことを学んでほしい。和歌山から全国に発信していきたい」とあいさつし、記念のテープカットの後、ラッピング列車が発車した。
ラッピング列車は3年契約で、一日に和歌山―貴志駅間を6~13往復し、運行しない日もある。