車いすでビーチ楽しむ 磯の浦にマット導入

 磯の浦海水浴場(和歌山県和歌山市磯の浦)を車いすの人にも利用してもらおうと、一般社団法人マリンパーク磯の浦(杉本慶蔵代表理事)は今シーズン、車いすでスムーズに浜辺を移動できるビーチマットと水陸両用の車いすを用意した。全国では須磨海岸(神戸市)に次いで2カ所目となる。

 マリンパーク磯の浦によると、バリアフリーな海水浴場を目指し、以前から導入を検討していたという。今後はビーチやマリーナの国際環境認証で、水質や安全、サービスの基準を達成すると与えられる「ブルーフラッグ」に向けて活動する方針で、今回はその第一歩となった。

 ビーチマットはカナダ製で材質はポリエチレン。幅約1・5㍍、長さ10㍍のマットを10枚連結させ、海水浴場の入口から波打ち際までのルートをつくる。ビーチマットにより、車いすの車輪が砂に沈むのを抑え、簡単に移動ができるようになる。

 6月30日には初めてマットを設置。重機で砂をならした後、一直線になるようマットを並べ、連結部分はマットの穴にスパイクを挿入して地面に固定した。

 また海水浴場ではフランス生まれの水陸両用車いす「ヒッポキャンプ」を1台導入。前輪タイヤが1本の特殊な形状と、アルミ素材の骨組みが特徴で、重さは約15㌔と軽く海中で浮く仕様。車いすを押す人の負担軽減にもなる。

 水陸両用の車いすを使用する際は講習を受けた付添人が必要なため、同日はユニバーサルツアープロデューサーを招いた講習会も開催。杉本代表理事や県サーフィン連盟の梅本利樹会長ら6人が受講し、車いすの組み立て方や障害者への対応、入水時の安全などについて学んだ。

 杉本代表理事は「乗る人も押す人も負担が少なくていい。車いすの人にも海を楽しんでもらえると思う」と笑顔で話していた。

 ビーチマットは16日と8月18日に設置する予定。詳細はマリンパーク磯の浦(℡073・452・2737)まで。

ビーチマットの上を移動する水陸両用車いす

ビーチマットの上を移動する水陸両用車いす