東アジア農業遺産学会を県内初開催 みなべ

 「第5回東アジア農業遺産学会」が26~29日の4日間、和歌山県のみなべ町と田辺市で開かれる。各国の研究者ら約600人が参加を予定し、「世界農業遺産と持続可能な社会」をテーマに講演や研究発表、シンポジウムが行われる他、同遺産に認定されている「みなべ・田辺の梅システム」の視察もあり、国内外への同システムと地域の魅力発信が期待されている。

 同学会、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会などが主催し、運営は同協議会から委託を受けた㈱JTBが行う。

 農業遺産の保全と活用に関する情報交換を目的に、2014年から毎年、日本・中国・韓国の3カ国で開かれ、日本での開催は2回目。県内では初めて。

 メイン会場は同町の「Hotel&Resorts WAKAYAMA―MINABE」(旧紀州南部ロイヤルホテル)。26日は参加登録、27日は基調講演と基調発表、シンポジウム、ポスターセッション(世界農業遺産認定地域の紹介)、全体会合。28日は現地見学(県うめ研究所、紀州石神田辺梅林など)、29日はテーマ別セッションとなっている。

 「GIAHS(世界農業遺産)の次世代への継承」などをテーマとした27日のシンポジウムは一般参加もできる。

 みなべ・田辺地区は江戸時代から400年以上続く伝統的な梅産地で、栽培面積は国内シェア24%(約4100㌶)、生産量は国内シェア55%(約4万4000㌧)を誇る。

 梅産業から広がるさまざまな文化と景観を含む知恵と工夫で作られた「みなべ・田辺の梅システム」は2015年12月に世界農業遺産に認定された。地域に住む就業者の7割が梅産業に関わり、基幹産業として人々の暮らしを支えており、同システムを維持、発展させるとともに、内外への発信による交流人口の増加などを目指す活動が続けられている。

 シンポジウムへの参加申し込みや問い合わせはJTB西日本MICE事業部「第5回東アジア農業遺産学会」係(℡06・6252・5044)。