危機感を持って対応 台風20号被災で仁坂知事
和歌山県は28日、台風20号の主な被害状況と対応策について発表した。仁坂吉伸知事は同日の定例会見で、被災した新宮市熊野川町の日足地区と田辺市本宮町の川湯温泉、渡瀬温泉を視察したことを明かし、「さらに危機感を持って対応しないといけない。同じことを繰り返さないよう議論し、早急に方針を決めたい」と述べた。
浸水被害は田辺市や古座川町など紀南地域を中心に発生。住宅は72棟で一部損壊、53棟で床上浸水、78棟で床下浸水した。土砂災害は5カ所で発生。道路状況は国道480号高野町相ノ浦や本宮町川湯などで路側が欠壊し、全面通行止め7件、片側通行規制2件となっている(27日午後8時現在)。
強風や浸水の影響で商業、サービス業などの被害は75件あり、被害額は13・5億円。製造業は54件で約5000万円となっている(継続調査中)。同日午後5時45分現在の停電状況は田辺市本宮町曲川で7軒。
県は対応策として、中小企業者などの被災した建物や機械設備の復旧に必要な経費の10%を補助する。対象は製造業、商業、サービス業など。補助金額は10万円以上、2000万円以内。中小企業者などの事業再建や資金繰りに必要な経費も融資する。限度額は8000万円。
また国の制度の適用も検討。生産性向上を目的とした支援事業で、申請締め切りの延長や県も対象地域に加えるよう要望し、7月の台風7号被災地を対象とした小規模事業者の補助金事業に、県も対象となるよう求める。公共土木施設の早期復旧を図るため、被災した道路などをスムーズに災害査定できるよう準備を進めていく。