栄通りシャッターにイラスト 熊野街道アート

 和歌山県海南市日方の伊勢部柿本神社付近の栄通りをアートで彩るプロジェクトが26日、行われた。同所は、京都から大阪を経て熊野三山まで続く熊野街道の一部でもあり、参加した有志ら約20人は街道の歴史を学び、和歌山市出身の漫画家マエオカテツヤさんも参加して通りを美しくした。

 海南市観光協会が主催し、公益社団法人県青少年育成協会が協力した。

 同協会理事の古田充司さん(46)ら、まちづくりを考える有志5人がことし6月に広島県尾道市を訪れた際、地元には「観光に関する案内表示が不足している」と感じ「熊野街道の周知と、おもてなしの心を表現したい」とプロジェクトを立ち上げた。

 「海南市語り部の会」の柴田雄蔵さんは、和歌山城から藤白神社までの街道の旧跡などについて詳しく解説し「これをきっかけに街道を歩く人が増えたらうれしい」と話した。

 参加者らは通り沿いの民家に提灯(ちょうちん)を付け、9カ所のシャッターにペンキでイラストを描く作業を手伝った。マエオカさんは「市民の皆さんに親しまれるような絵を描き、昭和の風情を残しながら、明るい通りにしたい」と話していた。

マエオカさんと共にシャッターに絵を描いた参加者

マエオカさんと共にシャッターに絵を描いた参加者