向井さん準優勝 けん玉全国大会県内初開催
和歌山県内で初めてけん玉の全国大会が開かれた16日、全日本新人王決定戦の他、第22回全日本学生・社会人対抗戦、第23回全日本空中技選手権も同じ河北コミュニティセンターで行われた。日本けん玉協会県支部長で六段の向井智哉さん(32)が学生・社会人対抗戦の社会人部門と空中技選手権で準優勝し、3大会全てで県勢が上位入賞を果たした。
日本学生けん玉連盟、JKA空中技研究学会が主催し、3大会の延べで関東から関西地域の約60人が出場した。
学生・社会人対抗戦は、学生、社会人の部門ごとに予選、優勝決定戦があり、最後に両部門通じての決勝を行った。宇宙遊泳、円月殺法、うぐいすの谷渡りなど規定技の成功回数で勝敗が決まるが、今大会は接戦の末、サドンデスにもつれ込む試合が続出。くじによって技を2回連続で行う、片足立ちで行うなどの条件が加わり、さらに難度が上がった試合が繰り広げられた。
県支部からは向井さんと山地和孝さんの2人が社会人部門の決勝トーナメントに進出。山地さんは準々決勝で敗れ、向井さんは決勝に進んだが、田嶋朗さん(東京、ひのけん玉道場)に10―8で及ばなかった。
対抗戦を制したのは、学生部門優勝の中学2年生、尾畠琴真(ことみ)さん(兵庫、伊丹けん玉クラブ)。準決勝で向井さんを9―8で退け、決勝はノーミスで田嶋さんを下して連覇を達成。「焦らず、落ち着いてできた。うれしい」と喜びを話した。
空中技選手権は、うずしお灯台、ろうそく返しなどけん玉が必ず手から離れる技だけで競う大会。向井さんは決勝まで勝ち上がり、惜しくも準優勝。鷲尾英政さん(伊丹けん玉クラブ)が優勝した。
「けん玉伝道師」として普及活動に力を尽くしている向井さん。県内初の全国大会を終えて「地元開催なので和歌山から多くの選手が参加でき、けん玉を習っていない子どもたちにも来てもらえて良かった。競技を見る機会が少ないので、知ってもらい、いい刺激を受けてもらえたのではないか」と話していた。