転びにくい体づくり 岩出げんき体操を体験

高齢者の筋力や柔軟性の向上を目指し、和歌山県岩出市が普及を進める「岩出げんき体操」の体験会が23日、金池の総合保健福祉センターで開かれ、65歳以上の市民38人が音楽を聴きながら体を動かし、汗を流した。

体験会は市の主催で、2回目の開催。体操を通じて、転びにくい体づくりや体力の向上、市民同士の交流促進などを図る。この日は、市地域包括支援センター係長で保健師の古谷奏さんが進行役を務めた。

古谷さんは2010年度の国や県のデータから、岩出市の平均寿命と、健康的に自立した生活ができる年数を示す健康寿命の間に男性で1・7年、女性で3・8年の差があることを説明。「健康寿命を延ばし、介護が必要になる期間をできるだけ短くすることが重要」とし、要介護状態につながることが多いとされる脳卒中や認知症、骨折、転倒などの予防には運動が有効と話した。

参加者は体操の前に握力測定や片足立ちなどを行い、身体機能の現状を確認。古谷さんは手と足の筋力は相関関係にあるとし、握力は男性が29㌔、女性は19㌔に満たない場合は足の筋力が低下している可能性が高いと危険性を訴え、目を開けて片足立ちができる時間が5秒以下の場合は転倒しやすい状態になっているとして注意を促した。

岩出げんき体操の体験では、腕を伸ばし手でじゃんけんのグーとパーの形をつくる、足を交互に上げて肘と膝を合わせる、上半身をねじるなどのエクササイズを実践。参加者はスクリーンに示される動きの見本を確認しながら笑顔で軽快な動きを見せた。体験した後は「体が温まり、気持ちよくなった」「椅子に座ってできるのでどこでもできる気がする」「年とともに体力の低下を感じるので、これを毎日の習慣にしたい」などの声が上がっていた。

岩出げんき体操を体験する参加者

岩出げんき体操を体験する参加者