企業の災害備蓄推進 近畿JC海南市に提言

 地域の企業に災害への備えに取り組んでもらおうと、日本青年会議所(JC)近畿地区協議会(神澤正太郎会長)と海南青年会議所(小椋孝也理事長)は、和歌山県海南市に「災害用企業備蓄推進に関する提言書」を提出。災害時の従業員の安全・安心の確保などに努め、社会的責任を果たそうとする企業の取り組みに、市の協力を要請した。

 提言は企業の災害用備蓄を推進するためのもの。市に求めている内容は主に3点。1点目は、災害用備蓄品は会社の経費として計上し、一括償却できることを企業に周知すること。2点目は、災害備蓄品の準備などの対策を講じている建設・リサイクル・製造業に対し、入札時に経営審査ポイントを付与すること。3点目は、企業の災害備蓄品の購入費を補助すること。企業の災害対策を推進することで、災害に強い地域づくりの一助とすることを目指している。

 神澤会長と小椋理事長、海南JC防災ネットワーク構築委員会の大谷晃平委員長らが海南市役所を訪れ、提言書を受け取った神出政巳市長は「予想される南海トラフ大地震では大津波の可能性も高いので、防災力の一層の強化を図りたい」と話した。

 大谷委員長は、7月の西日本豪雨で海南JCのメンバー3人と広島県呉市に救援活動に行ったことを報告。「西日本JCメンバーから、備蓄品を買っておけば良かったとの声もあったので、企業の備蓄推進に関する機運は高まっていると思う」と話した。

提言書を手にする神澤会長㊨と神出市長、海南JCメンバーら

提言書を手にする神澤会長㊨と神出市長、海南JCメンバーら