1期生83人が教育の道へ 和歌山信愛大開学

和歌山信愛大学(和歌山県和歌山市住吉町、森田登志子学長)が開学し、10日に入学式と落成式が行われた。市が誘致を進めてきた「まちなか3大学」の2校目。1期生として男女83人が入学し、教育者の道へ第一歩を踏み出した。

同大学は学校法人和歌山信愛女学院が設置し、2017年に閉校した市立本町小学校の跡地に建設。開設した教育学部子ども教育学科は、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士の資格が取得できる。初等教育分野の人材不足解消と大学進学に伴う若者の県外流出の抑制を図る。学生約5人に対し1人の教員が指導にあたり、一人ひとりを丁寧に教育する体制を整えている。近隣のぶらくり丁商店街と連携し、学生向けの割引サービスを行ったり、グラウンドを地域に開放したりと、地域交流できる環境づくりも進めている。

小学校の校舎をリノベーションしたキャンパスは、少人数で使える講義室や、移動できる机と椅子で自由な形態のアクティブ・ラーニングができるLAND教室、小学校の教室を再現した模擬教室など実践的に学べる空間となっている。来年10月には、隣接する本町幼稚園の敷地にチャペルや舞台付きの音楽室、保育実習室を備えた3号館も完成予定。

県民文化会館で行われた入学式では、森田学長が「人は自分を大切に思うもの。神様からもらったものを生かすには努力することが大事。自分と同じように友達や世界の人を大切にできる人になってもらいたい。そして、たくさん学んだことを多くの人に伝えてほしい」と式辞を述べ、新入生の入学を喜んだ。仁坂吉伸知事や尾花正啓和歌山市長も祝辞を述べ、開学を祝った。

新入生を代表し、宮田理世さん(19)が「社会に貢献できる立派な人になるよう、明るく真摯(しんし)に学生の本分を尽くします」と宣誓した。

大学で行われた落成式では、森田学長からキャンパスの施工を行った㈱淺川組(同市小松原通、栗生泰廣社長)と設計の㈱横河建築設計事務所(東京都品川区、鈴木良典社長)に感謝状が贈られた。

感謝の祈りをささげる新入生

感謝の祈りをささげる新入生