テロから地域守る イオンと和大前駅で訓練

 6月に大阪で開かれるG20サミットや2020年東京オリンピック・パラリンピックなどに向けた国際テロ対策の一環として、和歌山県警と和歌山北署は18日、和歌山市中の大型商業施設、イオンモール和歌山と最寄り駅の南海和歌山大学前駅でテロ対処合同訓練を行い、警察と関係機関の約50人が非常時の連携を確認した。

 県警警備課、機動隊、地域指導課、同署の警察官と、同店、同駅の職員が参加。訓練は、同店敷地内を暴走する車が歩いていた買い物客3人をはね、運転していた男が店内に逃走し、爆発物が入ったリュックサックを置き去りにし、さらに同駅から電車で逃走を図るという想定で行われた。

 事故を目撃した同店職員が、日時や場所、負傷者の有無、運転手の特徴などを110番通報。駆け付けた警察官に「身長170~180㌢くらいの男で、20~30代。黒いキャップと白いマスクを着用し、赤いリュックサックを持っていた」などと説明した。

 同駅では、男が改札を強引に突破し、ホームに向かうところを目撃した駅職員が通報。警察官が不審な動きをする男を発見し、職務質問したところ、ナイフを振り回して抵抗したため制圧した。男が「爆弾を仕掛けたからな」などと叫んだため、警察は爆発物を捜索し、店内に不審なリュックサックが置かれているのを発見。同店の職員が店内の客を誘導して避難させた。

 駆け付けた機動隊員は防護服を着用し、特殊な機材でリュックサックの中身を確認した後、マジックハンドを使って爆発物を処理した。

 同署の津田健治署長は「大変意義のある訓練だった。G20などがあるので、引き続き訓練を重ね、不測の事態にも対応できるように関係機関と協力していきたい」と話した。

マジックハンドで爆発物を処理する機動隊員

マジックハンドで爆発物を処理する機動隊員