昼間の光で夜も誘導 災害の備えに新標識

昼間の光を吸収して蓄積したエネルギーを放出し、発光する蓄光式避難誘導標識を取り扱う㈱ユー・シート(浦口英尚社長、和歌山県和歌山市有家)は、従来の標識よりも高輝度で発光持続時間が長い優れた商材として、災害における安全を確保する上で同標識の必要性を広く呼び掛けている。

エルティーアイ㈱(京都市右京区)が標識板を製造しており、耐候性に優れたアクリル樹脂に、屋外での長時間使用を目的に開発した高輝度の耐水性蓄光原料を使用している。りん光輝度(発光の明るさの度合い)でも数値の高いⅡ類の15mcd(ミリカンデラ)/㎡で、同類のJIS規格品と比較しても5mcd/㎡の差があることを第三者機関の試験で実証。10年相当の2000時間の耐候性試験で720分後(12時間)でも13mcd/㎡以上の明るさを保持しており、海外製品よりもはるかに明るさが持続する。

このアクリル樹脂に標識マークを印刷するユー・シートと、土木資材製品の製造販売を行う㈱メガチューブ(和歌山市西庄)が紀州材のフレームを施すことによって、和歌山らしさを表現した商材になっている。

ユー・シートが昨年8月に和歌山県産品・市産品に登録し、昨秋のわかやま商工まつりで出展して注目を浴びた。

浦口社長は「曇天や雨空などの天候でも十分蓄光し、夜が更けてから明け方まで明るさが持続して標識が確認できるので、災害が起きてブラックアウトになった場合の誘導に活躍できる商材。昨年の台風21号や東南海地震のような今後起こり得る巨大災害に備えるためにも、まず私が住んでいる和歌山市から設置していければ」と思いを語った。

紀州材を使った県・市産品登録の蓄光式誘導標識

紀州材を使った県・市産品登録の蓄光式誘導標識