香り高い味わい「梅酒ビア」
前号では、昨今、新しい梅酒の楽しみ方として人気が高まる梅酒カクテルについて、カクテルの歴史やその名の由来を取り上げた。今週はその種類や味わいについて紹介したい。
梅酒カクテルとは、梅酒と何らかのお酒を混ぜ合わせたもの。最も身近であるのが梅酒ソーダ。グラスに氷を入れ、梅酒とソーダを1対1の割合で注ぎかき混ぜた定番メニュー。
続いて梅酒ハイボール。梅酒にウイスキーとソーダを混ぜ合わせる。味わいは濃く、梅酒とウイスキーというアルコール度数が高い組み合わせは、深い酔いを楽しみたい方に最適。
お薦めしたいのが梅酒ビア。聞き慣れない名前かもしれないが、梅酒とビールの組み合わせである。提供する店は多くないので試しに作ってみることにした。梅酒とビールの最適な比率は1対2と、ビールの割合を多くするのが特徴。
混合の比率も大切だが、試してみる中で、梅酒らしい特徴と難しさが見えてきた。梅酒といってもその種類はさまざま。完熟しドロッとした濃い味のものもあれば、サラリとしたものもある。梅酒ハイボールであれば濃い味わいを特徴とするため前者の梅酒が適し、梅酒ビアにおいては爽やかさや風味を重視するため後者の梅酒が適すなど、そのカクテルに求める味わいや酔いの程度、その場の雰囲気に合わせ、最適な種類と混合の割合を選ぶ必要がある。
混合する酒の特徴にも配慮が必要。風味を重視したい梅酒ビアであれば、香りが良く軽い味わいが特徴のビールを選ぶことで、飲み干した後に梅酒の風味を残すことができる。
梅酒それぞれの味わいを知って、さらにお気に入りの別の酒と混ぜ合わせ、好みの梅酒カクテルをご賞味いただきたい。
(次田尚弘/大阪市)